- そもそも資産運用の基本的な知識を教えてほしい
- 忙しい主婦にできる資産運用の方法が知りたい
- 主婦が資産運用するときの注意点が知りたい
インフレが続き、物価高で苦しい家計に悩む主婦は多い。
将来に向けて資産を形成するためには、近年における銀行の利息では、大きな資産形成に期待が持てないと感じている人も多いことだろう。
そこで、主婦には「ほったらかし投資」をおすすめする。常に市場の動きを確認する必要もなく、毎月コツコツ積み立てるだけなので、主婦でもカンタンだ。
この記事では、「ほったらかし投資」について詳しく解説する。
具体的な投資方法や投資先、資産運用をはじめるときの注意点も紹介するので、将来の資産形成に悩む主婦は、ぜひ参考にしてみて欲しい。
主婦が資産運用を始める前に知っておきたい基本知識

資産運用をしていれば、主婦でも将来家計を助けたり、自分の小遣いを増やしたりできる。そのためには、早めに行動を起こすことが大切だ。
そこで、まずは主婦が資産運用を開始するときに知っておきたいポイントを紹介する。
資産運用が必要な理由
主婦に資産運用が必要な理由は主に5つ挙げられる。
- 老後資金を形成するため
- ライフイベントにかかる費用の準備
- 子どもの将来にかかる費用の準備
- 節税になる可能性があるため
- 主婦でも家計を助けられるため
近年の低金利では、老後2,000万円以上必要となる資産形成は、厳しい状況だと考えられる。
また、子どもの教育や進学資金、結婚資金や家族旅行など、ライフイベントに向けた資産形成も欠かせない。
そこで、主婦にあった資産運用方法を選ぶことで、貯蓄や日々の暮らしにも役立つと考えられる。
今の時代、主婦も家族の資産形成に参加しながら、将来についてよく考えることが大切だ。
資産運用は怖い?
主婦が資産運用を考えるとき、「怖い」と考える人も多いことだろう。
突然の下落で、資産を失ったり大きな損失を被ったりしないかと、家計を守る主婦が不安になることも頷ける。
過去には、100年に一度と言われた株価の大暴落があった。2008年のリーマンショックだ。しかし、その後株価は落ち着きを取り戻し、以前以上の株価上昇の動きを見せている。
金融市場は、時に下落することもあるが、上昇下落を繰り返しながら、右肩上がりに成長を続けてきた。
主婦が資産運用を始めるときは、資産運用による損失を怖がるだけでなく、なぜ損失に繋がるのかを理解しておくことが大切だ。
失敗するパターンを理解しておけば、逆に成功する方法を見つけて、損失を回避できる可能性が高くなる。
資産運用は、怖いものではない。正しく理解し運用すれば、将来に向けた資産形成が期待できるだろう。
資産運用のリスクとリターンを理解
資産運用では、リスクとリターンを理解しておかなければ、適切な投資商品を選べなくなってしまうため注意しておきたい。
リスクとリターン | 値動きの特徴 | 投資商品 |
---|---|---|
ハイリスク・ハイリターン | 短期間に大きく変動 | 株式投資 先物取引 |
ミドルリスク・ミドルリターン | 中長期で変動 | 国内株式 投資信託 REIT 外国債券 |
ローリスク・ローリターン | 長期で少しずつ変動 | 定期預金 国債や地方債 貯蓄型の生命保険 債券投資 為替ヘッジ型投資信託 |
リスクが高ければ高いほど、大きな利益が出る可能性がある。しかし、資産運用の知識を持っていなければ、リスクの方が高くなってしまう可能性が高い。
低いリスクでは、得られる利益が少ないが、損失を回避できる可能性は高い。より利益を求めるなら、ハイリスクとの中間値となるミドルリスクの投資商品がおすすめだ。
投資先によって、リスクとリターンが異なる。主婦が将来の資金を準備するときは、投資先の商品それぞれの特徴をよく理解したうえで、資産投資を始めることが大切だ。
忙しい主婦には「ほったらかし投資」がおすすめ!

主婦は常に家庭の仕事があり、特に育児中の主婦は忙しい毎日を送っていることだろう。
忙しい主婦には、常に値動きを気にする必要がない「ほったらかし投資」がおすすめだ。
事前に運用方針を決め、仕組み作りさえ行っておけば、放っておいても資産の増加が期待できる運用方法だ。
売買のタイミングを見計らう必要もないため、忙しい主婦にも資産運用が可能となる。
ただし、ほったらかし投資には、注意しておきたいポイントもある。ここでは、メリットとデメリットを紹介する。
ほったらかし投資のデメリット
ほったらかし投資は、短期間で大きな資産運用の成果をあげることは難しい。長期的な投資と考えておくことが大切だ。
ゆっくりと資産形成を目指す手法となるため、短期で資産を増やしたい人にはおすすめできない。
また、投資には価格変動による、元本割れのリスクがある。
そして、ほったらかし投資の場合でもそれは同様である。ただし、長期的に投資商品を保有することが、元本割れのリスクを低減する有効な方法の一つとされている。
そのため、ほったらかし投資では、長期保有できる商品を選ぶことが大切だ。
ほったらかし投資のメリット
ほったらかし投資のように、定期的に一定額を投資する方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれており、価格変動を利用して購入単価を平均化する手法である。
価格が高いときは少ない数量を、安いときは多い数量を購入することになり、平均購入単価を抑える効果があるのだ。
ほったらかし投資には、3つのメリットがあるので紹介する。
運用に対して手間がかからない
ほったらかし投資は、為替差益を狙うFX取引のように、常に市場の動向を気にする必要がない。そのため、運用に手間がかからないことが大きなメリットだ。
家事で忙しい主婦でも、売買のタイミングに迷うこともないので、安心して投資活動が始められるだろう。
安定した投資でリスク管理ができる
毎月1万円など、少額から投資を始められるほったらかし投資は、長期にわたる投資で利益を狙う方法だ。
家計に大きな影響を与えることなく、資産運用を始められることも大きなメリットだ。
市場の値動きに一喜一憂することなく、リスクを抑えて安定した投資が可能となる。
ほったらかし投資は、投資に関する知識が少ない主婦でも、始めやすい資産運用方法だと言える。
投資知識を得て自己成長に繋がる
投資に対して、知識が豊富な主婦は少ないだろう。
資産運用を始めることで、投資に興味を持ち「自分で調べる」という行動が身につきやすくなる。
お金の知識や判断力がつき、金融リテラシーが高まれば、投資に対する知識も身につき、前向きな投資ができるようになる。
投資の知識が少ない主婦にこそ、リスクを抑えたほったらかし投資がおすすめだ。
主婦の「ほったらかし投資」におすすめの投資先

主婦のほったらかし投資では、適切な投資方法と投資先を見つけることが大切だ。
ここでは、忙しい主婦におすすめの資産運用方法を紹介する。将来に向けて家計を見直したいと考えている主婦の人は、ぜひ資産運用を検討してみて欲しい。
ほったらかし投資にはNISAやiDeCoでの積立投資がおすすめ
資産運用でほったらかし投資をするなら、2つの投資方法をおすすめする。
- 新NISA
- iDeCo
老後のための資産形成なら、「iDeCo」がおすすめだ。一方、教育資金のためなどライフスタイルに合わせた運用には、流動性が高い「新NISA」を検討してみると良い。
それぞれの特徴を解説するので、参考にしてみて欲しい。
流動性の高い新NISA
NISAはもともと2014年から始まった制度の1つだが、2024年1月から始まった新NISAでは、非課税枠が恒久化されたことが大きな特徴だ。
生涯運用益に税金が課せられないため、利益が目減りしないというメリットがある。「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があり、両方の枠を併用して年間360万円まで投資が可能だ。
新NISAで資産運用を始めるときは、金融機関で口座を開設することから始まる。
ただし、金融機関によって、取り扱っている金融商品や、買付・売却の手数料が異なるため、事前に確認しておくことが大切だ。
また、新NISAなら、必要なときに商品を売却して、現金化することも可能だ。ライフサイクルに合わせて買付と売却を判断し、適切な投資先を選ぶ必要がある。
老後を考える主婦にはiDeCoがおすすめ
iDeCoは個人型確定拠出年金と言い、運用益に対して税金がかからない仕組みとなっている。
ただし、iDeCoは原則60歳まで、現金として引きだすことはできない。
そのため、老後資金など、将来の資産を確実に形成したい主婦にはおすすめの投資先だ。
なお、iDeCoでは初めに自分で設定した拠出額を基に毎月積立投資を行う形で、主婦の場合は、月額2万3,000円が上限である。
ただ、夫の扶養内でパート勤務をしている場合、年収が103万円以下であれば通常、所得税は発生しない。この場合、iDeCoによる所得控除の効果は主に住民税の軽減に限られる。
一方、年収が103万円を超えると、iDeCoの所得控除によって所得税と住民税の両方で節税効果が得られるのだ。
夫婦の老後資金準備のための資産運用を考える主婦には、iDeCoによるほったらかし投資がおすすめだ。
ほったらかし投資には投資信託がおすすめ
新NISAやiDeCoで、主婦がほったらかし投資をするときには、投資信託がおすすめだ。
ほったらかし投資は、決めた金額を毎月自動的に積み立てていく手法だ。
ライフスタイルやプランを変更しない限り、最初に決めた運用方法に沿って、ただ積み立てるだけで済むからだ。
本来、投資とは、自分で決めた投資先の銘柄を売買するタイミングを見つけながら、資産運用を続けていく必要がある。
しかし、知識や経験が少なく忙しい主婦には、売買のタイミングを見つけることは難しい。
しかし、ほったらかし投資で積み立て投資をするなら、売買するタイミングは気にしなくてよい。
また、投資信託の商品性には、3つのメリットがある。
- 低リスクで安全性が高い銘柄が多い
- 長期積み立てに適した銘柄が多い
- 手数料が低い
ただし、投資には元本保証はない。そのため、投資信託であっても、元本割れの可能性があるということを忘れてはいけない。
主婦が資産運用するときの注意点

主婦が資産運用するときには、注意しておきたいポイントもある。
ほったらかし投資とはいえ、投資における重要なポイントを守っていなければ、知らない間に損失を被ってしまう可能性がある。
ここでは、ほったらかし投資をするときに事前に知っておきたいポイント4つを紹介するので参考にして欲しい。
余剰資金内での運用
資産運用における投資は、必ず余剰資金内で運用することが大切だ。
投資では、必ずしも利益が出るとは限らない。世界情勢や金融・株価の動きによっては、値崩れを起こしてしまう可能性がある。
もしも、目減りしてはいけない資産を投資に使ってしまうと、生活を守るための資金を失くすことに繋がる。
家計を支える主婦だからこそ、投資で積み立てる資金は、リスクを負っても問題のない余剰資金で運用することが望ましい。
適切なリスク管理
資産運用による投資で利益を実感すると、さらなる利益を追求して大きなリスクを負ってしまう可能性がある。
主婦がほったらかし投資をするときは、積極的な取引は避けた方が良い。
積極的な資産運用をするなら、長期の投資とは別に分散投資として、短期の収益を目指す投資をおすすめする。
株式やFX取引などが挙げられるが、忙しい主婦が常に相場を確認することは難しいと考えられる。
短期の収益を目指す投資には、リスクが伴う。常に変動する相場を見逃すと、損失に繋がる可能性が高くなるため、注意しておきたい。
資産運用を始めたときの目的を忘れず、リスクの大きさを確認しながら投資先を選ぶことが大切だ。
相場に振り回されない
資産運用を始めた頃は、特に相場の動きに振り回されやすい傾向があるため、注意しておきたい。
よくある失敗例が、相場の上昇や下落に一喜一憂して、投資先を変更してしまうことだ。
投資先の相場は、上昇と下落を繰り返している。なお、相場の動きはリスクの大きなものほどリターンが得やすい。
資産の運用中は、世界情勢や経済状況、投資先の成長度合いによっては、下落することもある。
投資先が下落したからといって、すぐに上昇した投資商品に変更してしまうと、本来の目的を見失ってしまうのだ。
市場相場や直近の運用成果だけを見て、投資先を変更することは避けた方が良い。
長期の資産運用では、相場が上昇したり下落したりすることもあると事前に認識するためにも、運用における相場の動きを勉強してみると安心だ。
定期的な見直し
主婦にもできる「ほったらかし投資」でも、定期的に投資先の相場や運用状況を確認し、継続して良いかを確認することが大切だ。
長期運用の場合、思わぬところで運用成績が大きく上昇したり、反対に下落していたりすることもある。
また、時代の流れによって、資産運用に適した運用商品が変わっていくこともある。
特に、投資における分散投資では、ポートフォリオのバランスを調整する「リバランス」も必要だ。
たとえば、資産運用を開始した当初は、債権と株式投資で50%ずつだった資産が、株価の上昇によって、株式が80%にまで増えることもある。
ここで、当初の目的に合わせるため、リバランスが必要となる。
保有する株式を売却し、株式投資の割合を50%に戻して、債券を購入すれば、当初の50%ずつの投資に戻すことができるのだ。
また、ライフスタイルが変わったときにも、リバランスが大切だ。
家族のライフイベントに向けて、投資先の売買や分散投資などを視野に入れ、投資先や投資額を見直すことが求められる。
主婦が資産運用するときはプロに相談しよう

主婦が資産運用を始めるときは、プロに相談することが大切だ。
自分自身で資産運用の知識を身につけることも大切だが、運用経験は資産運用を始めてみないと身につかない。
実践経験がなく、知識だけで資産運用をすることは、リスクがあると言えるだろう。
そこで、ここでは主婦におすすめする資産運用の相談窓口を紹介する。資産運用を始めるときは、ぜひプロに相談するように心掛けておいて欲しい。
資産運用の相談先は?
資産運用の相談ができる相談窓口は、主に3つある。
- 証券会社
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
上記で相談できるプロは、それぞれ特化している分野が異なる。ニーズに合わせて相談する窓口を検討してみると良い。
証券会社
証券会社には、資産運用のプロフェッショナルが揃っている。取り扱っている投資商品も多い。
証券会社によって取扱商品が異なるため、相談するときは、事前に確認してから足を運ぶと良いだろう。
プロの担当者が丁寧に資産運用方法について教えてくれるため、投資の知識を持っていなくても、安心して資産運用を始められる。
ただし、異動や退職によって、担当者が変わる可能性もある。長期にわたって運用する資産は、担当者任せのフォローではないことを確認しておくと安心だ。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FP(ファイナンシャルプランナー)の相談窓口には2種類ある。
- 企業系FP企業に属して商品を販売
- 独立系FP企業に属さず相談・提案業務
資産運用の相談なら、独立系FPへの相談がおすすめだ。商品を販売しないため、中立な立場でアドバイスをしてくれる。
FPは、お金に関する専門家のため、資産運用や家計、住宅ローンや資産形成など幅広い相談が可能だ。
資産運用以外の相談もできるため、上手に活用すると良いだろう。
ただし、個別の投資銘柄のアドバイスはFPにはできないため、大まかな方向性を決める相談手段であるといえる。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、資産運用に特化した専門家だ。金融機関に属さず、中立の立場で資産運用の相談ができる。
IFAは金融機関と提携しているので、資産運用の相談から商品の買い付けまで行ってくれる。
資産運用に特化したプロのため、相談者にとって適切な銘柄など具体的なアドバイスも可能だ。
資産運用には、様々な方法がある。一人ひとり最適な方法は異なるため、家計に合わせて資産投資の相談をしたい主婦には、IAFへの相談をおすすめする。
信頼できるアドバイザーの特徴
信頼できるアドバイザーを見つけることが、資産運用で失敗しないコツだと言っても過言ではない。
しかし、初めて出会う専門家をすぐに信頼できるかといえば、なかなか難しい問題でもある。
そこで、信頼できるアドバイザーの特徴を紹介するので、参考にしておいて欲しい。
- 経歴や実績が公開されている
- 専門知識を持って業界に精通している
- 相談者の持つ価値観と同じ目線で考えられる
- 契約や報酬などは明確にしている
- 定期的なセミナー開催など実績が豊富
どんなに知識や実績が豊富と言っても、相談者とコミュニケーションが取れないプロでは意味がない。
相談者の立場に立ち、最新の情報と豊富な経験で、より豊かになるための資産運用を提案できるアドバイザーを探そう。
主婦だからこそ資産運用を始めよう!

資産運用は主婦にも必要だ。忙しい主婦だからこそ、将来の年金や老後の生活をしっかり考えておく必要がある。
そこで、忙しい主婦でも始められる「ほったらかし投資」をおすすめする。
NISAやiDeCoで非課税による運用枠を活用しながら、上手に資産形成を考えてみて欲しい。
資産運用で成功するためには、分散投資や余剰金の活用など注意しておきたいポイントもあるが、何より信頼できる資産運用のプロに相談することが大切だ。
投資の知識がなくても安心して資産運用を始めるためのアドバイスをしてくれるので、安心して投資のことを学びながら運用ができるようになるだろう。