- 相続資産におすすめの資産運用が知りたい
- 相続資産を運用するときの注意点が知りたい
- 相続資産の運用を相談できる先が知りたい
相続によって資産を受け継いだ場合、扱い方をどうするか考えなければならない。
預け先を決めて相続したお金をそのまま保有する方法もあるが、資産運用をすれば価値を高められる可能性がある。
しかし、まとまった相続資金をどのように運用すればいいか、わからない方も少なくないだろう。
本記事では、相続資産の運用方法や運用を成功させるポイント、注意点について解説する。
自分で運用方法を決めるのが不安な方向けに、相続資産の運用に関する相談先も紹介するため、参考にしてほしい。
相続資産におすすめの資産運用とは

相続資産としてまとまったお金を受け継いだ場合は、適切な方法で運用するのがおすすめだ。
預貯金で保有する場合、一般的に安全性が高い一方、収益性は株式や投資信託等に劣る場合が多い。
物価が上昇する局面では、同じ金額で買えるモノやサービスが減り、実質的な価値が目減りすることがある(消費者物価指数(総合、2020年=100)は2026年1月に112.9、前年同月比1.5%上昇)。
資産運用をすることで資産価値を維持したり、高めたりできるメリットがある。
相続資産の運用方法はいくつかあるが、特におすすめなものを以下で紹介するので、参考にしてほしい。
相続したお金を株式にして運用
相続資産の運用方法として、株式投資が挙げられる。
相続したお金で、証券会社の窓口やインターネット証券などを利用し、個別の株式を購入する方法だ。
株価が安いときに株式を買い、高値になったタイミングで売ることで、売却益を得られる。
また、保有によって配当金や株主優待を受けられる株式もある。
株式投資のメリットは、大きなリターンが期待できることだ。
株式はハイリターンの金融商品であり、相続したお金を株式にすることで大きな利益をねらえる可能性がある。
ただし、リターンが大きいということはリスクも大きい。
大きな利益に繋がる可能性がある一方で、大きな損失を抱えるおそれもあるのはデメリットだろう。
株価が下がれば損失を抱えることになるため、いつ売却するべきか自分で判断しなければならない。
株式投資は、市場の動向や企業の業績などを読み取る知識を持ち、必要なときに購入や売却の判断を下せる方におすすめの資産運用方法といえる。
また、リスクが大きいことを承知で大きなリターンをねらいたい場合にも、株式投資が適しているだろう。
相続資金を投資信託にして運用
相続したお金で投資信託を運用するのも、おすすめの資産運用方法だ。
投資信託とは、株式や債券など複数の資産で構成される金融商品である。
投資家から集めたお金を専門家がまとめて運用し、発生した利益を投資家に分配する。
投資信託の最大のメリットは、分散投資を気軽に行える点だ。
個別の株式を購入する株式投資では、1社の業績が悪化した場合、損失が発生する可能性がある。
一方、投資信託は複数の株式や債券などを組み合わせているため、1社の業績が悪化しても他の銘柄でカバーできる可能性が高い。
リスクを抑えながら相続資金を運用したい場合は、投資信託が適している。
ただし、投資信託は専門家に運用を任せるため、信託報酬などのコストが発生するというデメリットがある。
また、株式投資より低いといってもリターンが確定しているわけではないため、元本割れのリスクがある点も押さえておかなければならない。
不動産を運用
受け継いだ不動産を活用したり、相続したお金で新たに物件を購入したりして、不動産投資を行う方法もある。
相続財産の額によっては相続税の申告・納税が必要になるため、相続した不動産を含めて資産全体の扱いを早めに検討することが大切だ(基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」)。
持っている不動産を貸し出すことで、家賃収入を得られる。
毎月家賃収入が入ってくれば、継続的に安定した収入を得られるだろう。
ただし、入居者を確保できなければ家賃収入は0円となる。
家賃収入を得られない場合でも、不動産の維持管理には費用がかかるため、収益を得られないどころか損失が発生するリスクも考えられる。
日本の総人口は2026年1月1日現在(概算値)で1億2295万人と、前年同月比で▲60万人(▲0.49%)減少しているため、空室リスクがあるなかで不動産を運用し収益を確保できるかどうかは、慎重に判断しなければならない。
不動産のある場所や市場のトレンドなどを把握するのが苦ではなく、管理会社や不動産の専門家などと協力して戦略を立てていこうと思えるなら、不動産を運用するといいだろう。
相続資金の資産運用に成功するためのポイント

相続資産を運用する方法はさまざまで、最適解は人により異なる。
相続したお金を有効活用し、将来的に利益をもたらすためにも、いくつかのポイントを押さえることが大切だ。
目的やリスク許容度に合わせて投資先を選ぶ
相続後に資産運用をする場合、目的やリスク許容度に合わせて適切な投資先を選ぶ必要がある。
投資目的は、人によって異なる。
安定した収入を求めるなら、分配益や家賃収入を得られる運用を行うべきだ。
一方、長期的な資産増加を目指すのであれば、長期間保有することで利益を増やしやすくなる商品に投資する必要がある。
また、投資先を選ぶ際は、リスク許容度についても考えなければならない。
リスク許容度とは、収益がどの程度マイナスになるまで耐えられるかを示す度合いのことだ。
リスクを取りたくない人はリスク許容度が低く、リスクをある程度取れる人はリスク許容度が高いといえる。
例えば、収益は小さくてもいいから元本割れを避けたい人はリスク許容度が低い。
それに対し、ある程度の元本割れリスクを受け入れて積極的に利益を求めたい人は、リスク許容度が高いといえるだろう。
リスク許容度は性格だけでなく、現在の年齢や年収、保有している資産や今後の支出などによっても変化する。
自身のリスク許容度を見極め、適切な投資先を選ぶことが大切だ。
投資先を分散する
投資先を分散するのも、相続資産の運用において重視すべきポイントである。
投資の世界では、「卵を1つのかごに盛ってはいけない」という言葉が存在する。
1つのかごに全ての卵を盛ると、落下や揺れなどの問題が発生した際にすべて割れてしまう可能性が高い。
いくつかのかごに分けて卵を入れると、割れてしまうリスクを抑えられる。
このように、投資先を1つに絞るより、複数の対象に分散させたほうが損失を被るリスクを抑えられるというのが投資の基本だ。
受け継いだ相続資産の価値を大きく下げてしまわないためにも、預貯金や株式、投資信託などに資金を分散して投資をするのがおすすめである。
どの投資先にどの程度の資金を投入するかは、ポートフォリオを作成して決めるといい。
ポートフォリオの作り方に自信がない場合は、後ほど紹介するプロに相談してみよう。
長期目線での運用を心がける
相続したお金は、長期目線での運用を心がけることが大切だ。
相場の値動きを常に監視する短期投資よりも、長く資産を保有することで利益の拡大をねらう長期投資のほうが、投資初心者でも取り組みやすい。
長期投資の特徴は、元金だけでなく利子にも利子が発生する複利効果により、収益を増やしやすいことだ。
一度取引を設定すれば頻繁に値動きを確認する必要がないため、日々の心配の種を減らせるというメリットもある。
ただし、長期投資であれば絶対に失敗しないというわけではない点は覚えておこう。
リスクを抑えられるからといって確実に利益が出るとは限らないので、投資先を慎重に選んで分散投資する必要がある。
相続資産を運用するときの注意点

相続資産を運用する際は、成功するためのポイントだけでなく失敗につながりやすい注意点も把握することが大切だ。
以下の注意点を理解し、失敗するリスクをを抑えられるような運用を考えよう。
必要なお金は運用せず、適切な範囲内で投資する
相続資産の運用は、手元に置いておくべきお金を差し引いた残りで行うことが大切だ。
貯蓄が生活資金の基盤であることを踏まえ、投資については余剰資金で行うなど、貯蓄と投資のバランスに留意して資産形成に取り組むことが重要だ。
十分な生活費が確保できており、緊急時にも対応できるとわかっていれば、心理的な余裕が生まれる。
絶対に短期間で利益を出さなければいけないと考える必要はなくなるため、相続資産の価値を高めるために適切な運用ができるだろう。
生活費と緊急時の費用は、いつでも引き出せるように現金で持っておくのがおすすめだ。
手元に残す生活費の目安は、相続資産以外の預貯金額や家族構成などによって決めるのがいい。
リスク管理を行い、利益を追求しすぎない
相続資産の運用時は、リスク管理を徹底する必要がある。
相続によってまとまったお金が入ると、大きなリターンを期待して運用してしまうケースが少なくない。
しかし、リターンが大きな投資はリスクも大きいのが原則だ。
資産が増える期待にばかり目を向けずに、損失が発生する可能性もきちんと考えて投資先を決めよう。
特に投資に慣れていない状態で相続資産の運用を始めるなら、リスクの低い商品への投資から始めるのがおすすめだ。
相場を意識しすぎない
相続したお金で資産運用をするときは、相場に振り回されないよう注意する必要がある。
相続資産の運用を成功させるためのポイントは、先に述べたとおり長期投資だ。
長期間投資をするなかで、相場の高騰や下落を目の当たりにすることもあるだろう。
しかし、短期的な相場の値動きは、投資のプロでも予測が難しい。
投資に慣れていない方が長期投資の原則を守らず、相場の動きにつられて短期間で売買を繰り返すと、損失を抱えてしまうおそれがある。
積立投資により、一括投資に比べ高値掴み等のおそれの軽減が期待でき、分散投資によりポートフォリオ全体が特定のリスクから受ける影響を軽減できるため、長期目線で取り組むことが基本となる。
そのため、相場の急騰や急落があったときも、保有している資産の売買を考えずに冷静な判断をすることが、相続資金を適切に運用するコツだ。
相続資金の運用はプロに相談しよう

相続資産をそのまま放置せず運用することで、価値の維持や向上が期待できるとわかり、資産運用に興味が出てきた方もいるだろう。
しかし、投資経験が浅い方は、どのように運用すればいいかわからないケースも少なくない。
そこで、資産運用のプロに相談することをおすすめする。
相続資金の運用をプロに相談するメリット
相続したお金の運用をプロに相談することで、自分に合った運用方法のアドバイスを得られるというメリットがある。
相続資金の運用方法は多種多様で、どれを選ぶべきかは投資する金額やリスク許容度によって変わる。
資産運用のプロに相談すれば、自身の持っている資産や投資期間などの情報をもとに適切なアドバイスをしてくれる。
助言を受けることで、自身に適したポートフォリオを組んで効率的に運用できるだろう。
また、資産運用に関する情報を冷静に精査できるのも、プロに相談するメリットだ。
自己流で投資をするために情報収集をしていると、豊富な情報に触れすぎてどうするべきか迷ってしまうケースがある。
プロの意見を聞くことができれば、自身に必要な情報の取捨選択ができる。
資産運用の方法や投資先について理解し、納得した状態で相続資産を適切に運用できるだろう。
相続したお金の運用について相談できるプロ
相続資金の運用についてプロに相談しようと決めたら、相談先を選ぶ必要がある。
資産運用の専門家として挙げられるのは、以下の通りだ。
- 証券会社
- FP
- IFA
証券会社には、資産運用についてアドバイスできるプロが多く在籍している。
常に市場に向き合っていることから、社員は資産運用の専門知識を豊富に持っている。
窓口へ行くのはハードルが高いと感じる方もいるだろうが、自身に合う資産運用について対面でアドバイスをもらえるのは大きなメリットだ。
提案される投資先を自身で精査する必要はあるが、相談によって最新情報を得られる可能性が高いのも魅力といえる。
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、ライフプランを実現するために必要な資産運用についてアドバイスをしてくれる。
人によって得意分野が異なるので、経歴などを確認して資産運用に長けた方に相談するのがおすすめだ。
金融商品を取り扱うFPからは具体的な提案を聞くことができ、相談のみ対応のFPからは客観的な意見を聞けるだろう。
IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)は、資産運用の相談に対応する民間のアドバイザーを指すことがある。
資産運用の相談を受け、金融商品の提案や取引のサポートを行う場合がある。
担当者が固定される形で相談できる場合があり、資産運用について継続的に相談しやすいことがある。
報酬体系や提案範囲は担当者・事業者によって異なるため、手数料や契約形態等を確認した上で相談先を選ぶ必要がある。
IFA法人を探すほか、IFAとの連携窓口を設けている証券会社を利用できる場合もある。
相続資産の運用方法は、自身に合うものを選ぼう

相続資産はそのまま持っているだけでなく、運用することが大切だ。
資産運用することで相続したお金の価値が下がるのを防ぎ、将来的な利益も期待できる。
相続資産の運用方法は多様なので、自身に合う方法を選んで大切な資産を守ろう。
そのために、自身のリスク許容度を把握したり、投資先を分散したりする工夫が必要だ。
相続資産の運用について悩んでいるなら、資産運用のプロに相談するのがおすすめだ。
IFA検索サービスなどを積極的に活用して、相続資産の運用を始めてみよう。
参考・出典
- 金融庁『国民の安定的な資産形成の支援に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針』(公表日/更新日:2024-03-15)
- 国税庁『No.4152 相続税の計算』(公表日/更新日:2025-04-01)
- 総務省統計局『2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)1月分』(公表日/更新日:2026-02-20)
- 総務省統計局『人口推計 2026年(令和8年)1月報』(公表日/更新日:2026-01-20)


