- 新NISAのつみたて投資枠で買うべき投資信託が知りたい
- 新NISAのつみたて投資枠で買うべき株式が知りたい
- 新NISAつみたて投資枠のおすすめの活用方法が知りたい
新NISA(つみたて投資枠)は金融庁が長期積立投資に適した銘柄を厳選しているが、2024年12月時点で対象商品は300以上ある。300以上の銘柄から自分に合うものを選ぶのは容易ではない。
そこで本記事では、つみたて投資枠のおすすめを10銘柄ピックアップした。
選び方も解説するので、新NISAでどの商品を選んだらいいのかわからない人は、ぜひ参考にしてほしい。
新NISA(つみたて投資枠)におすすめ!インデックスファンド5選

新NISA(つみたて投資枠)におすすめのインデックスファンドは、以下の5つ。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- iFreeNEXT FANG+インデックス
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
インデックスファンドは、日経平均株価などの指数(インデックス)に連動した運用を目指す投資信託だ。
世界経済の中心は米国であるため、米国株に投資する銘柄に資金が集まっている。
ここでは、つみたて投資枠対象のインデックスファンドの中でも特に保有コストが低く、長期積立投資に向いている銘柄を紹介する。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 | 2万7,104円 |
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純資産総額 | 4兆8,929億5,800万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.05775% |
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、米国や日本をはじめとした23の先進国・地域、中国やインドをはじめとした24の新興国・地域に分散投資するインデックスファンドだ。
このファンドに投資すれば、少額から2,600銘柄以上の株式に投資できる。
直近5年のリターンは米国株のみに投資するインデックスファンドと比べて見劣りするが、今後も米国株が他の国の株式よりもパフォーマンスがいいとは限らない。
できる限り投資先の国・地域を分散させたい人におすすめの銘柄だ。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 | 3万3,182円 |
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純資産総額 | 6兆2,000億200万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.09372% |
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、主要な米国株およそ500銘柄で構成された株価指数「S&P500」に連動した運用を目指すインデックスファンドだ。
米国株は直近5年だけでなく長期的にみても大きく上昇しており、為替が円安ドル高になっていることも追い風となって直近のリターンは高い。
低コストでリターンの高いインデックスファンドに投資したい人は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がおすすめだ。
iFreeNEXT FANG+インデックス
基準価額 | 6万7,159円 |
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純資産総額 | 3,592億9,700万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.7755% |
出典:大和アセットマネジメント「iFreeNEXT FANG+インデックス」
iFreeNEXT FANG+インデックスは、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)にAppleやMicrosoftなどを加えた10銘柄で構成される米国の株価指数「FANG+」に連動した運用を目指すインデックスファンドだ。
米国株の中でも株価が大きく上昇している銘柄に集中投資しているため、直近5年のリターンは+500%を超えている。
保有コストは高めで投資銘柄数が少ない分リスクも高いが、より高いリターンを求める人におすすめの銘柄だ。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
基準価額 | 3万3,186円 |
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純資産総額 | 8,673億8,200万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.09889% |
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、日本を除く22の先進国・地域に分散投資するインデックスファンドだ。
このファンドに投資すれば、少額から1,200銘柄以上の株式に投資できる。日本株や新興国株を投資先から除外したい人におすすめの銘柄だ。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
基準価額 | 1万9,172円 |
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純資産総額 | 3,108億6,000万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.0938% |
出典:SBIアセットマネジメント「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」
SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)という日本でも人気のある米国ETFに投資するインデックスファンドだ。
このファンドに投資すれば、少額から3,600銘柄以上の米国株に分散投資できる。
つみたて投資枠ではVTIが買えないため、VTIに投資したい人はSBI・V・全米株式インデックス・ファンドも選択肢の一つになるだろう。
新NISA(つみたて投資枠)におすすめ!アクティブファンド5選

新NISA(つみたて投資枠)におすすめのアクティブファンドは、以下の5つ。
- フィデリティ・米国優良株・ファンド
- あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド
- iTrustインド株式
- フィデリティ・欧州株・ファンド
- ニッセイ日本株ファンド
アクティブファンドは、保有コストがインデックスファンドより高い。
また、どの銘柄も日経平均などの参考指数(インデックス)を上回る運用を目指すとアピールしているが、インデックスファンドと比べて必ずしもリターンが高いわけではない。
アクティブファンドはあくまで運用のサブとして、できる限りインデックスファンドをメインの投資先に選ぼう。
フィデリティ・米国優良株・ファンド
基準価額 | 6万9,080円 |
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純資産総額 | 1,681億4,000万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率1.639% |
出典:フィデリティ投信「フィデリティ・米国優良株・ファンド」
フィデリティ・米国優良株・ファンドは、フィデリティ投信が厳選した米国株およそ100銘柄に投資するアクティブファンドだ。
1998年4月から運用をスタートしており、25年以上の運用実績がある。保有コストは高いが、直近5年のリターンはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を上回っている。
つみたて投資枠で米国株に投資するアクティブファンドを買うなら、おすすめ銘柄の一つだ。
あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド
基準価額 | 2万5,360円 |
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純資産総額 | 129億1,800万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.8355% |
出典:あおぞら投信「あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド」
あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンドは、米国を中心とした1万1,000銘柄以上の株式に分散投資するアクティブファンドだ。
オルカンをはじめとした世界の株式に投資するインデックスファンドと比べて投資銘柄数が多いことをアピールしているが、直近5年のリターンはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を下回っている。
徹底した分散投資をしたい人にとっては、選択肢の一つになるだろう。
iTrustインド株式
基準価額 | 2万4,542円 |
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純資産総額 | 697億8,900万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.9828% |
出典:ピクテ・ジャパン「iTrustインド株式」
iTrustインド株式は、つみたて投資枠対象商品で唯一、インド株を主要な投資先とするアクティブファンドだ。
インドは若年層の失業率が高いなどの不安要素はあるが、IMFが予測した2024年の経済成長率は+7%と、主要な新興国・先進国の中では最も高い。
インド株をメインの投資先にしたい人は、iTrustインド株式がおすすめだ。
フィデリティ・欧州株・ファンド
基準価額 | 5万1,481円 |
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純資産総額 | 363億5,000万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率1.65% |
出典:フィデリティ投信「フィデリティ・欧州株・ファンド」
フィデリティ・欧州株・ファンドは、つみたて投資枠対象商品で唯一、ヨーロッパの株式を主要な投資先とするアクティブファンドだ。
海外の株式に投資するファンドはどうしても米国株が中心になり、イギリス・フランス・ドイツをはじめとした欧州への投資割合は少なくなってしまう。
直近5年のリターンを比較すると欧州株を中心に投資するメリットは見出しづらいが、インデックスファンドをメインの投資先に選んだうえで、サブ運用として買うなら選択肢の一つだろう。
ニッセイ日本株ファンド
基準価額 | 3万9,469円 |
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純資産総額 | 1,668億9,100万円 |
信託報酬 (保有コスト) | 年率0.88% |
出典:ニッセイアセットマネジメント「ニッセイ日本株ファンド」
ニッセイ日本株ファンドは、150〜300銘柄の日本株に投資するアクティブファンドだ。
東証株価指数(TOPIX)を上回る運用を目指しており、直近5年のリターンはeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)を下回っているが、直近3年では上回っている。
日本株を投資先に含まないインデックスファンドを購入し、個別の日本株に投資するつもりがないなら、分散投資の一つとして選んでもいいだろう。
新NISA(つみたて投資枠)の銘柄選びはここに注目!おすすめポイント4つ

新NISA(つみたて投資枠)の銘柄選びのポイントは、以下の4つ。
- 投資対象(投資先の国・地域)
- 資産配分(株式の投資割合など)
- 運用手法(インデックス・アクティブ)
- 保有コスト(信託報酬)
投資対象(投資先の国・地域)
つみたて投資枠の対象商品は必ず株式を投資先に含んでいるが、どの国の株式に投資するのかは銘柄によって大きく異なる。
詳しい投資先については投資信託の目論見書(説明書)で確認できるが、インデックスファンドなら、ファンドの名称からおおよその推測は可能だ。
たとえば「全世界株式(オール・カントリー)」という名前なら米国株への投資割合が60〜65%程度、「新興国株式」ならインド・中国・台湾の投資割合が40〜50%前後になっている(2024年11月末時点)。
一般的に先進国のほうが新興国より政治・経済が安定しており、相対的なリスクは低い。
投資対象について特にこだわりがないのであれば、米国株や全世界株に投資するファンドを選ぶのが無難だろう。
資産配分(株式の投資割合など)
つみたて投資枠対象商品には、株式だけでなく債券や不動産(リート)などに投資するバランスファンドもある。
債券は国や企業がお金を借りる際に発行する有価証券であり、利率と返済期日が決まっていることから、一般的には株式よりリスクが低い商品とみなされる。
不動産は入居者がいれば賃料収入が入るため、価格変動はあるものの一般論としては株式よりリスクが低い。
株式と比べて相対的にリスクが低い商品を含んだバランスファンドはつみたて投資枠で購入できるが、株式のみに投資するファンドと比べてリターンが見劣りするのも事実だ。
リスクを抑えたいなら、バランスファンドを選ぶよりも、株式のみに投資するファンドを選んで現金比率を上げたほうがわかりやすい。
運用手法(インデックス・アクティブ)
つみたて投資枠対象商品の大半はインデックスファンドだが、一部アクティブファンドも購入できる。
インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの主要な株価指数に連動した運用を目指すファンドだ。
一方でアクティブファンドは、指数(インデックス)を上回る運用を目指している。
なかにはインデックスを上回るリターンを出すアクティブファンドもあるが、将来も良好なパフォーマンスを出せるとは限らない。
自信を持って商品を選べないなら、インデックスファンドを選ぶほうが無難だ。
保有コスト(信託報酬)
つみたて投資枠対象商品に限らず、投資信託には保有コストがかかる。
投資信託の保有コストは信託報酬のほかに投資商品の売買手数料・取引時の税金・監査費用などがあるが、複数の商品を比較する場合は信託報酬だけを見るほうがわかりやすい。
保有コストは手数料のように別途支払うものではなく、投資家から集めた資金(信託財産)から支払われ、毎営業日公表される投資信託の価格(基準価額)に反映される。
保有コストは投資信託によって大きく異なり、年率0.1%程度しかかからないインデクスファンドがある一方で年率1%を超えるアクティブファンドもある。
コストが高くても運用でうまくいけば高いリターンが出せることもあるが、高コストで低パフォーマンスのアクティブファンドは決してめずらしくはない。
コストが低いインデックスファンドでも直近のリターンは十分高いため、基本的には保有コスト(信託報酬)の低い銘柄を選んだほうがいいだろう。
新NISA(つみたて投資枠)での運用はプロに相談がおすすめ

新NISA(つみたて投資枠)の対象商品は300以上あり、どの商品を選んで運用したらいいか悩む人もいるだろう。
運用方法や投資先の選定に悩んでいるなら、一度プロに相談してみることをおすすめしたい。
新NISA(つみたて投資枠)の運用を専門家に相談するメリット
新NISA(つみたて投資枠)の運用を専門家に相談するメリットは、以下の3つ。
- 金融機関選びで失敗するリスクを抑えられる
- 自分に合う商品を選びやすくなる
- 金融機関に所属しない専門家なら中立的なアドバイスも期待できる
NISAは国が設けた非課税制度であり、つみたて投資枠なら購入手数料は無料だが、取扱商品は金融機関によって異なる。
SBI証券をはじめとした大手ネット証券では200本以上取り扱う一方で、つみたて投資枠の対象商品を4本しか取り扱っていない金融機関もある。
取扱商品数の少ない金融機関に限って「厳選」という言葉でごまかしているが、投資先を変える際に買いたい銘柄が買えない可能性が高く、大変不便だ。
NISAは1人1口座しか持てず、金融機関の変更はできるが手間がかかるので、始める前に専門家におすすめの金融機関を教えてもらったほうがいいだろう。
商品選びも同様に、専門家に相談することで自分に合う商品が選べる可能性は上がる。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)なら特定の金融機関に所属していないため、営業成績に関係なく顧客の立場を考えた中立的なアドバイスも期待できるだろう。
新NISA(つみたて投資枠)で運用する場合の主な相談先
新NISA(つみたて投資枠)で運用する場合の主な相談先は、以下の通り。中立的な専門家に個別の商品について相談したい場合、IFAが適している。
- 証券会社の担当者
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
近くに証券会社の支店があるなら相談してみるのも一つの選択肢ではあるが、自社に有利な商品を優先的に提案する可能性は否定できない。
取扱商品が少ない証券会社に相談すると、本記事で紹介したおすすめのファンドを買えないこともある。
FPは個別商品の相談には対応できないが、新NISAをはじめとした一般的な資産運用の相談なら可能だ。
家計の見直しのついでに聞いてみるくらいのスタンスなら、FPに相談してもいいだろう。
具体的な商品の相談は、個別銘柄の提案やアドバイスが受けられるIFAがおすすめだ。
IFAなら特定の金融機関の利益よりも顧客利益を優先して提案する傾向があるため、証券会社と比べて中立的なアドバイスが期待できるだろう。
つみたてNISAのおすすめはインデックスファンド

本記事では、新NISA(つみたて投資枠)のおすすめ銘柄や選び方を解説した。
つみたて投資枠はインデックスファンドの人気が根強く、低コストでリターンも良好なためあえてアクティブファンドを選ぶ必要はないだろう。
株式以外に債券や不動産にも投資するバランスファンドもあるが、リスクを抑える目的で買うくらいなら資産全体に占める投資の割合を減らして、リスクを調整したほうがいい。
自分に合う商品がわからない人は、プロに相談してみよう。
IFAなら特定の金融機関に所属していないため、特定の会社が出す商品に偏らない提案・アドバイスが期待できる。
専門家によるアドバイスを希望するなら、IFA検索サービスを利用してみよう。