- 60代におすすめの新NISA活用法を教えてほしい
- 新NISAで毎月いくら積立すればいいのか教えてほしい
- 新NISAで運用するときの注意点が知りたい
「退職金をただ預金しているだけでは不安」「老後の生活費に余裕を持ちたい」「子や孫に少しでも資産を遺したい」と考える60代は多いでしょう。
60代からの資産運用で大切なのは、大きく増やすことだけではありません。まずは生活費や医療費・介護費に備えるお金を守り、そのうえで長期的に使わない余裕資金を運用することです。
2024年1月から始まった新NISAは、一定の範囲で、上場株式等の譲渡益や配当等が非課税になる制度です。60代でも、資産を守りながら育てる手段として活用を検討できます。
ただし、60代は若い世代よりも大きな損失を取り戻す時間が限られます。新NISAを使う場合も、生活資金を確保したうえで、無理のない金額から始めることが重要です。
この記事では、60代からの資産防衛と資産形成に特化して、新NISAの活用法、毎月の積立額の考え方、商品選び、成長投資枠の使い方、注意点を解説します。
60代から新NISAを始める前に確認したいこと

「もう60代だから投資は遅い」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、厚生労働省の令和6年簡易生命表では、60歳時点の平均余命は男性23.63年、女性28.92年です。60代からでも、20年以上の生活資金を考える必要があります。
一方で、60代は資産を大きく減らすリスクに慎重であるべき時期でもあります。新NISAを始める前に、まずは資金を以下の3つに分けて考えましょう。
| 資金の種類 | 内容 | 置き場所の例 |
|---|---|---|
| 生活資金 | 年金で足りない生活費を補うお金 | 普通預金、定期預金など |
| 緊急用資金 | 医療費、介護費、住宅修繕費など急な支出に備えるお金 | すぐ引き出せる預金 |
| 運用資金 | 当面使う予定がなく、値下がりしても生活に影響しにくいお金 | NISA、投資信託、ETF、債券など |
新NISAは便利な制度ですが、生活費や急な支出に必要なお金まで投資に回すべきではありません。
60代の新NISA活用は、まず「使う予定のあるお金を守る」ことから始めましょう。
60代でもNISAは利用されている
金融庁は、NISA取扱全金融機関を対象に、NISA口座数や買付額などの利用状況を公表しています。
2025年12月末時点の速報値では、NISA口座数は2,826万口座、NISA買付額は累計71兆円です。新NISA開始後も利用は拡大しています。
また、日本証券業協会の「新NISA白書2024」では、2024年12月末時点の60歳代のNISA口座数は377万口座、普及率は25.4%と示されています。
つまり、60代でもNISAを活用している人は少なくありません。ただし、同じ60代でも、年金額、退職金、住宅ローン、家族構成、健康状態によって適切な運用方法は異なります。
周囲がNISAを始めているからといって焦る必要はありません。自分の家計と目的に合わせて活用することが大切です。
60代が新NISAを検討したい4つの理由
60代が新NISAを検討したい理由は、主に以下の4つです。
- 老後資金の取り崩しペースを抑えるため
- 物価上昇による預金の実質的な目減りに備えるため
- 急な医療費や介護費の発生に備えるため
- 運用益や配当等の非課税効果を活用できるため
老後資金の取り崩しペースを抑えるため
退職後は、年金収入と貯蓄の取り崩しで生活する人が増えます。預金だけを取り崩す場合、資産は使った分だけ減っていきます。
たとえば、2,000万円を持っていて毎月7万円を取り崩す場合、運用しなければ約24年で資金が尽きる計算です。
一方、年3%で運用しながら同じく毎月7万円を取り崩せた場合、30年後でも約835万円が残る試算になります。
| 年数 | 年3%で運用しながら月7万円取り崩し | 運用せずに月7万円取り崩し |
|---|---|---|
| 5年後 | 約1,871万円 | 約1,580万円 |
| 10年後 | 約1,721万円 | 約1,160万円 |
| 15年後 | 約1,546万円 | 約740万円 |
| 20年後 | 約1,343万円 | 約320万円 |
| 25年後 | 約1,108万円 | 資金底尽き |
| 30年後 | 約835万円 | 資金底尽き |
もちろん、年3%で安定して運用できる保証はありません。相場によっては元本割れする可能性もあります。
ただ、長期で使わない資金の一部を運用することで、老後資金の取り崩しペースを抑えられる可能性があります。
物価上昇による預金の実質的な目減りに備えるため
預金は安全性が高い一方で、物価上昇が続くと、同じ金額で買えるものが少なくなる可能性があります。
60代は、生活費、医療費、介護費、住居費などを長期的に見通す必要があります。すべてを預金で持つのではなく、一部を運用してインフレに備える考え方も重要です。
ただし、インフレ対策だからといって、高リスク商品に集中投資する必要はありません。新NISAでは、長期・分散投資に向いた投資信託などから始めるのが現実的です。
急な医療費や介護費の発生に備えるため
年齢を重ねると、自分や配偶者の病気、ケガ、介護に備える必要があります。
医療保険や介護保険でカバーされる部分もありますが、すべての費用が公的制度でまかなえるわけではありません。施設入居費、住宅改修、家族の移動費、日用品など、想定外の支出が発生する場合もあります。
そのため、NISAで運用する前に、すぐ使える現金を確保しておくことが大切です。
新NISAは医療費や介護費そのものを解決する制度ではありませんが、余裕資金を運用しながら備えを厚くする手段として活用できます。
60代からでも非課税効果を活用できるため
新NISAでは、NISA口座で取得した上場株式等の配当等や譲渡益が非課税になります。
通常、上場株式等の配当等に申告分離課税を選ぶ場合、税率は20.315%です。NISAを使えば、一定の投資枠内でこの税負担を抑えられます。
たとえば、500万円を年3%で15年間運用できた場合、運用後の金額は約779万円です。通常口座なら運用益約279万円に対して約57万円の税金がかかる計算ですが、NISAなら非課税で受け取れます。
| 項目 | 運用後の金額(概算) | 税金(20.315%) | 実際の受取額 |
|---|---|---|---|
| 通常口座 | 約779万円 | 約57万円 | 約722万円 |
| 新NISA口座 | 約779万円 | 非課税 | 約779万円 |
ただし、上場株式等の配当等をNISAで非課税にするには、金融商品取引業者等を経由して受け取る必要があります。個別株やETFの配当を受け取る場合は、配当金の受取方式にも注意しましょう。
60代はまず新NISAのつみたて投資枠から検討しよう

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。
投資経験が少ない60代は、まずつみたて投資枠から検討するとよいでしょう。
つみたて投資枠は、年間120万円まで利用できます。対象商品は、金融庁が公表するつみたて投資枠対象商品に限られています。
長期の積立・分散投資に適した投資信託等が対象となるため、投資初心者でも商品を選びやすい点が特徴です。
少額から始められる
つみたて投資枠は、少額から始められる点がメリットです。
証券会社によって最低積立金額は異なりますが、毎月1万円や3万円など、自分の家計に合わせた金額から始められます。
60代は、収入が年金中心になる人も多く、医療費や介護費などの突発的な支出にも備える必要があります。
いきなり大きな金額を投資するのではなく、まずは生活に負担のない金額から始め、慣れてきたら金額を見直すとよいでしょう。
対象商品が一定の条件を満たしている
つみたて投資枠で購入できる商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託等に限定されています。
金融庁は、つみたて投資枠対象商品の届出一覧を公表しており、対象商品は定期的に更新されています。
商品を選ぶときは、以下を確認しましょう。
| 観点 | 確認する内容 | 60代のチェックポイント |
|---|---|---|
| コスト | 販売手数料、信託報酬 | 長期保有するほどコスト差が運用成果に影響しやすい |
| 投資対象 | 国内株式、先進国株式、全世界株式、バランス型など | 値動きの大きい資産に偏りすぎない |
| 分散性 | 1本でどの地域・資産に分散されているか | 複数の国や資産に分散できる商品を検討する |
| 分配方針 | 分配金の有無や頻度 | 分配金だけでなく、トータルリターンで判断する |
| 取り崩し時期 | いつ使う予定の資金か | 近く使う資金は値動きの大きい商品に集中させない |
60代は、「どれが一番増えるか」よりも「自分がどれくらいの値下がりに耐えられるか」を重視して商品を選ぶことが大切です。
一度設定すれば自動で積立できる
つみたて投資枠は、一度積立設定をすれば、毎月自動で投資を続けられます。
「いつ買えばよいか」を毎回判断する必要がないため、投資経験が少ない人でも続けやすい仕組みです。
また、積立投資は購入タイミングを分散できます。相場が下がったときは同じ金額で多くの口数を買えるため、高値づかみのリスクを抑えやすくなります。
60代で投資に不慣れな人は、まず自動積立で投資に慣れることから始めましょう。
60代は新NISAで毎月いくら積み立てる?

新NISAを始めるとき、「毎月いくら積み立てればよいか」は大きな悩みです。
結論として、60代はNISA枠を使い切ることを目的にせず、生活に負担のない余剰資金から始めましょう。
原則は余剰資金で投資する
投資金額を決める前に、以下の資金を確保しましょう。
- 毎月の生活費
- 年金で足りない分を補う生活資金
- 6カ月〜2年分を目安にした緊急用資金
- 医療費・介護費・住宅修繕費などの備え
- 旅行や趣味など、生活を楽しむための資金
これらを差し引いた後に残るお金が、新NISAで運用を検討できる余剰資金です。
60代は、現役時代より収入が少なくなるケースが多く、突発的な支出も増えやすい時期です。無理な積立額を設定すると、相場下落時に不安になり、途中で売却してしまう可能性があります。
最初は少額から始め、家計に余裕があると分かった段階で積立額を増やすのが現実的です。
積立シミュレーション|月3万円・5万円・10万円を比較
毎月3万円、5万円、10万円を年3%で積み立てた場合の概算は以下のとおりです。
| 毎月の積立額 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 累計投資額(15年) | 運用益(15年) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3万円 | 約194万円 | 約419万円 | 約681万円 | 540万円 | +約141万円 |
| 5万円 | 約323万円 | 約699万円 | 約1,135万円 | 900万円 | +約235万円 |
| 10万円 | 約646万円 | 約1,397万円 | 約2,270万円 | 1,800万円 | +約470万円 |
月3万円でも、15年間続ければ累計投資額540万円に対して、約681万円になる試算です。
月10万円なら15年間で累計投資額1,800万円となり、新NISAの非課税保有限度額を使い切る形になります。
ただし、60代で月10万円を積み立てるには、家計に十分な余裕が必要です。NISA枠を埋めることを優先するのではなく、無理なく続けられる金額を設定しましょう。
まずは少額から始めて慣れるのも選択肢
投資に不安がある人は、月1万円や3万円など少額から始めても問題ありません。
少額であれば、相場が下がったときの精神的な負担を抑えやすく、投資画面の見方や値動きにも慣れやすいです。
数カ月〜1年ほど運用してみて、家計に余裕があり、値動きにも耐えられると感じたら、積立額を増やすことを検討しましょう。
新NISA・つみたて投資枠で商品を選ぶポイント

60代が新NISAのつみたて投資枠で商品を選ぶときは、リターンの高さだけでなく、値動きの大きさや取り崩し時期を確認しましょう。
特に、以下の4点が重要です。
| 観点 | 確認する内容 | 60代のチェックポイント |
|---|---|---|
| コスト | 信託報酬、購入時手数料 | 同じ指数に連動する商品なら、信託報酬が低いものを比較する |
| 分散性 | 投資地域・資産クラス | 1つの国・1つの業種に偏りすぎない |
| 値動き | 過去の下落幅、株式比率 | 老後資金の大部分を値動きの大きい商品に集中させない |
| 取り崩しやすさ | 将来売却するタイミング | 使う時期が近いお金は投資に回しすぎない |
60代にとって検討しやすいのは、低コストのインデックスファンドや、株式と債券を組み合わせたバランス型ファンドです。
一方で、株式比率が高い全世界株式や米国株式の投資信託は、長期的な成長を期待できる反面、大きく値下がりすることもあります。
「どの商品が一番増えるか」ではなく、「自分が値下がりに耐えられるか」「何年後に使う予定か」を基準に選びましょう。
- 信託報酬が低い商品を比較する
- 世界分散・資産分散を意識する
- 株式比率が高すぎないか確認する
- 分配金の有無だけで判断しない
- 近く使う予定のお金は投資に回しすぎない
60代は成長投資枠も余裕資金で併用を検討しよう

つみたて投資枠に慣れてきたら、余裕資金の範囲で成長投資枠を併用することも検討できます。
成長投資枠は年間240万円まで投資でき、上場株式や投資信託など、つみたて投資枠より幅広い商品に投資できます。
ただし、NISA全体の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠だけで使える上限は1,200万円です。
つまり、成長投資枠に毎月20万円を積み立てる場合、年間240万円となり、5年で成長投資枠の上限1,200万円に達します。15年間ずっと毎月20万円を成長投資枠だけで積み立て続けることはできません。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託等 | 上場株式・投資信託等 ※整理・監理銘柄、信託期間20年未満や毎月分配型の一部投資信託等は対象外 |
| 投資方法 | 積立投資 | 一括投資・積立投資 |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円 成長投資枠は内数として1,200万円まで | |
60代が成長投資枠を使う場合は、退職金や預金を一気に投資するのではなく、使う予定のない余裕資金に限って活用しましょう。
成長投資枠の使い方1|つみたて投資枠と同じ商品を買い増す
リスクを抑えて成長投資枠を使うなら、つみたて投資枠で保有している投資信託を、成長投資枠でも買い増す方法があります。
この方法なら、投資対象が分かりやすく、運用管理もしやすくなります。
- 商品管理がシンプルになる
- 投資対象を理解しやすい
- 新しい銘柄選びで迷いにくい
- つみたて投資枠と同じ方針で続けやすい
ただし、同じ商品を買い増すと、その商品の値動きに資産が集中します。株式比率が高い投資信託を大きく買い増す場合は、下落時の影響も大きくなる点に注意しましょう。
成長投資枠の使い方2|高配当株やETFは余裕資金の一部にとどめる
成長投資枠では、個別株やETFにも投資できます。
配当金を老後の収入補助として使いたい人は、高配当株や高配当ETFを検討することもあります。
ただし、個別株やテーマ型ETFは値動きが大きくなる場合があります。配当が高くても、株価が下落すれば元本割れする可能性があります。
60代は老後資金を大きく減らさないことが重要です。高配当株やテーマETFを使う場合も、資産全体の一部にとどめましょう。
成長投資枠のシミュレーション|毎月20万円なら5年で上限に達する
成長投資枠は年間240万円まで使えるため、毎月20万円を積み立てると5年で1,200万円に達します。
たとえば、毎月20万円を5年間積み立て、その後10年間そのまま運用した場合、15年後の資産額は以下のようになります。
| 運用条件 | 5年間の累計投資額 | 15年後の資産額 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 年3%で運用 | 1,200万円 | 約1,738万円 | 約538万円 |
| 年5%で運用 | 1,200万円 | 約2,215万円 | 約1,015万円 |
年5%で運用できれば資産は大きく増えますが、高いリターンを狙うほど値下がりリスクも高くなります。
60代は、成長投資枠を使う場合でも、老後資金の大半を高リスク商品に投じるのは避けましょう。
60代が新NISAで運用するときの注意点

新NISAは便利な制度ですが、元本保証ではありません。
60代が新NISAで運用するときは、以下の点に注意しましょう。
損益通算と繰越控除はできない
NISA口座で発生した損失は、税制上なかったものとして扱われます。
そのため、NISA口座で損失が出ても、特定口座や一般口座の利益と相殺する損益通算はできません。
また、NISA口座の損失は、翌年以後3年間にわたって利益と相殺する繰越控除もできません。
たとえば、NISA口座でA株に10万円の損失が出て、特定口座でB株に15万円の利益が出た場合、NISA口座の10万円損失は特定口座の利益と相殺できません。
NISAは利益が非課税になる一方で、損失が出たときの税制上の救済が使えない点を理解しておきましょう。
配当金を非課税にするには受取方式に注意する
NISA口座で保有する上場株式等の配当等は、すべての受取方法で非課税になるわけではありません。
国税庁は、非課税とされる配当等は、非課税口座を開設している金融商品取引業者等を経由して交付されるものに限られると説明しています。
個別株やETFを成長投資枠で買う場合は、証券口座で配当金を受け取る「株式数比例配分方式」を選んでいるか確認しましょう。
老後資金を大きく減らすリスクを避ける
60代が最も避けたいのは、生活に必要な老後資金を大きく減らしてしまうことです。
若い世代と違い、大きな損失を働いて取り戻す時間が限られます。
そのため、以下のようなリスク管理を意識しましょう。
- 生活費や医療・介護費に使うお金は投資に回さない
- 投資資金の大半を値動きの大きい商品に集中させない
- 一括投資が不安なら、数カ月〜数年に分けて投資する
- 高リスク商品は余裕資金の一部にとどめる
- 相場下落時に慌てて売らなくて済む現金を残す
NISA枠を使い切ることよりも、老後生活を守ることを優先しましょう。
無理にNISA枠を埋めようとしない
新NISAでは、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円を合わせて、年間360万円まで投資できます。
ただし、枠があるからといって、毎年360万円を投資しなければならないわけではありません。
60代で生活費や緊急用資金を削ってまでNISA枠を埋めるのは危険です。
余裕資金が少ない年は投資額を減らし、家計に余裕がある年だけ増やすなど、柔軟に活用しましょう。
60代で新NISAを始めるなら悩んだときは専門家に相談する

60代で新NISAを始めるときは、退職金、年金、医療費、介護費、相続など、複数の要素を考える必要があります。
「何から始めればよいか分からない」「退職金のうちいくらを投資に回せばよいか分からない」「成長投資枠を使うべきか迷う」という場合は、専門家に相談するのも選択肢です。
専門家に相談するときに確認したいこと
専門家に相談する際は、以下を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 相談料や手数料 | 無料相談でも、商品販売時の手数料がかかる場合があるため |
| 資格や登録状況 | 投資助言や金融商品の仲介には必要な登録があるため |
| 提案商品の範囲 | 特定の金融機関の商品だけを扱っている場合があるため |
| リスク説明の有無 | メリットだけでなく元本割れリスクを説明してくれるか確認するため |
| 家計全体の相談ができるか | NISAだけでなく年金・保険・相続・生活費も関係するため |
「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」といった説明をする相手には注意が必要です。
また、相談先によって得意分野は異なります。証券会社は金融商品に強く、FPは家計やライフプラン全体の整理に向いており、IFAは金融機関から独立した立場で相談できる場合があります。
1人の意見だけで決めず、必要に応じて複数の専門家に相談し、手数料・リスク・提案内容を比較しましょう。
60代の新NISAは守る資金を確保してから始めよう

60代は、資産を「守りながら育てる」時期です。
新NISAは、運用益や配当等が非課税になる便利な制度ですが、投資である以上、元本割れのリスクがあります。
まずは生活費、医療費・介護費、緊急用資金を確保し、そのうえで余裕資金の範囲内でつみたて投資枠を使うとよいでしょう。
60代の新NISA活用で意識したいポイントは以下のとおりです。
- 生活費と緊急用資金を確保してから投資する
- まずはつみたて投資枠を少額から使う
- NISA枠を使い切ることを目的にしない
- 成長投資枠は余裕資金で慎重に使う
- 損益通算・繰越控除ができない点を理解する
- 配当金の受取方式や商品リスクを確認する
- 迷ったら専門家に相談し、複数の意見を比較する
60代からでも、新NISAを使って老後資金の取り崩しペースを抑えたり、相続に向けた資産形成を進めたりすることは可能です。
ただし、最も大切なのは、老後生活を不安定にしないことです。自分の年金額、生活費、健康状態、家族構成に合わせて、無理のない範囲で新NISAを活用しましょう。
出典
金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点(速報値))の公表について」(公開日:2026年2月18日)
金融庁「NISAの利用状況(速報値)」
日本証券業協会「新NISA白書2024」(公開日:2025年6月13日)
厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命」
金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
金融庁「つみたて投資枠対象商品」
金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」
国税庁「No.1535 NISA制度」(公開日:2025年4月1日)
国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」(公開日:2025年4月1日)
国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(公開日:2025年4月1日)


